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A SEA OF FACES/ARCHIE SHEPP

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 アーチー・シェップの1975年録音のアルバムです。シェップは私のフェイバリット・ミュージシャンのひとりですが、聴くにはかなりの集中力を必要としますし、よほどこの音を求めている時でないと聴かないので、最近は少し疎遠になっていました。しかしこちらのブログを読み、私の大好きなこのアルバムを取り上げようと思いました。
 私が最初に聴いたシェップの演奏はセシル・テイラーのグループでの録音だったと思いますが、そこでは後年のような暴れっぷりはなく、さほど印象には残りませんでした。リーダーアルバムで最初に聴いたのはおそらく「ONE FOR THE TRANE」だったと思います。ライヴ、しかも亡きコルトレーンに捧げた演奏ということもあってか、ここでは完全燃焼しています。ベースのジミー・ギャリソン、ドラムのビーヴァー・ハリスのプレイも素晴らしく、この一枚でシェップ・ファンになりました。
 「A SEA OF FACES」はあまり話題に上らないアルバムなので、シェップが好きになってからもその存在をしばらく知らなかったのですが、ある時(10年ほど前でしたか)その当時よく行っていたレコード店で店員さんが「こんなのどうですか」と聴かせてくれたのがこのアルバムです。そこで聴いた時から現在まで(そしておそらくこれからも)、数あるシェップのアルバムの中でも特に思い入れの強い一枚です。
 1曲目の「Hipnosis」はシンプルなベースのリフで始まる8ビートの曲ですが、その後出てくるシェップが吹くテーマがエキゾチックです。そしてそのままサックスソロになだれ込みます。最初こそおとなしめに吹いていますが、段々熱を帯びてきて10分以上ブリブリ吹きまくります。小節の区切りを踏み潰していくような傍若無人な吹きっぷりです。基本的に同じようなフレーズの連続なのですが、ヤクザな音色でテンションを落とすことなく延々と憑かれたように吹き続ける彼のソロには、一種のトランス効果があります。ドラムのビーヴァー・ハリスは、いつもはフリーリズムでのプレイが素晴らしいですが、この曲では8ビートの枠の中で自由奔放に叩きまくってシェップを鼓舞しています。ハリスは長年シェップのグループにいる人で、シェップの数々の傑作は彼なくしてはあそこまでのクオリティを持ち得なかったと思っています。のみならず、彼こそNo.1のフリージャズ・ドラマーだと確信しています。晩年のコルトレーン・グループで演奏してほしかったです。それはともかく、ピアノのデイヴ・バレルのバッキングもシンプルながら効果的で、この三人の絡みが絶妙です。個人的には、全く打ち合わせ無しのフリー大会のような演奏より(良いのもありますが)、こういうモード的なフリージャズに異常なほどの興奮を覚えます。調性と非調性のはざまというか、両者がせめぎ合っている緊張感というものにグッと来ます。ファロア・サンダースやジェイムズ・"ブラッド"・ウルマー率いるミュージック・レヴェレイション・アンサンブルなんかもそうですね(それぞれ音楽的には随分違いがありますが)。
 この曲の作曲者は、以前シェップのグループに参加していたトロンボーン奏者のグレシャン・モンカーⅢ世です。シェップはモンカーがバンド在籍時は勿論脱退した後も、彼の曲を何度も取り上げており、作曲能力を高く買っていたようです。彼の曲は内容もタイトルもユニークな物が多く、フリージャズのミュージシャンでは珍しく作曲で個性を主張できる人です。
 他の曲では、シェップ自身の詩の朗読や女性ヴォーカルが入ったり、珍しくハードバップ調の演奏があったりしますが今いちテンションが低く、「Hipnosis」の後では物足りなく感じます。高ぶった気持ちを静めるのには良いかもしれませんが、私は大抵「Hipnosis」しか聴きません。というかこの26分にも及ぶ大曲だけでお腹いっぱいです。
 シェップのアルバムには他にも紹介したいものが幾つかありますが、特にオススメなのが「POEM FOR MALCOLM」です。B面がスゴイです、脳天カチ割られます。もし興味を持たれてこのアルバムを聴く時は、まず聴いてからメンバーの名前を確認する事をオススメします。ビックリしてその後笑ってしまいます、多分。
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23:02 | jazz | comments (4) | trackbacks (0) | page top↑
おもしろ音楽 大集合⑥/ROSE MURPHY | top | WOODWINDS/YUSEF LATEEF and RALPH M. JONES Ⅲ

Comments

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記事のリンクまでしてもらってありがとうございます。
毎度、凄い情報量でとても参考になります。

>モード的なフリージャズに異常なほどの興奮を覚えます

まだ、フリー方面はそんなに手を出していないので、あまりどうとか言えないのですが、ここ、すごく分かります。
まさに、「調整と非調整のはざま」の面白さですね。

シェップ、トライしてみます。
by: piouhgd | 2006/08/05 23:43 | URL [編集] | page top↑
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piouhgdさん、コメントありがとうございます。ラティーフやシェップなど最近聴いていなかったアーティストをまた聴きなおす機会を作ってくださり、こちらこそとても良い刺激を頂いています。シェップという人はかなりのインテリで、戯曲なんかも書いていたそうですが、そういうところが凡百のフリー派とは異なり、単なるカオスではなくギリギリのところで綱渡りのような緊張感を保てたのかな、と思ったりもします。70年代後半から急激に保守化していったらしいですが(このアルバムの2曲目以降にもその兆候が見られます)、このアルバム辺りが緊張の臨界点だったのでしょうね。マイルスの70年代とダブッてしまいます。マイルスはシェップが大嫌いだったそうですが。
by: おみや | 2006/08/06 00:26 | URL [編集] | page top↑
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こちらもさっそくリンクさせていただきました。
改めて、よろしくお願いします。

>シェップという人はかなりのインテリ

あ、そうなんでうすか。
知らなかったです。
あまりそういうイメージないですね、正直。(笑)

>マイルスはシェップが大嫌い

そうですね、マイルスのシェップに対する評価は低いですよね。
というよりも眼中になかったのかなとも思いますが。
自叙伝では、結構ボロクソ言ってますよね。(笑)
by: piouhgd | 2006/08/06 00:43 | URL [編集] | page top↑
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 piouhgd さん、リンクありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
 確かにシェップがインテリというのは意外な感じもしますね。現代音楽的なフリージャズの人(例えばアンソニー・ブラクストンなんか)はわかりますけど。
 マイルスは、モード時代(フリー時代はもちろんですが)のコルトレーンも嫌いだったようですが、70年代のマイルスとモード時代のコルトレーンって、表面的にはともかく根っこの部分では、実は同じ事やっていたような感じが個人的にはしてしょうがないのですが。分析したわけではなく、あくまで直感的なものなのでうまく説明はできません。
 またマイルスはドルフィーもこきおろしていましたが、マイルス、ドルフィー、トニー・ウィリアムスの共演盤を一枚で良いから聴きたかったですね。チャンスはあっただけに残念です。
by: おみや | 2006/08/06 01:06 | URL [編集] | page top↑

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